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2017-03-07 [ ご報告 ]【開催報告】 第一回 北海道小児在宅医療実技講習会 ベーシック編 in札幌 を開催しました!

 さる2月25日(土)に、TKP札幌ビジネスセンター赤れんが前にて、第一回 北海道小児在宅医療実技講習会ベーシック編 in 札幌を開催いたしました。

 これは、北海道小児等在宅医療連携拠点事業(通称YeLL(いえ~る))事業の一環として、北海道内のあらゆる地域において小児在宅医療に携わっていただける仲間を増やすべく、小児在宅医療に関心はありながらもどのようなことに気を付けて診療を行えばいいのか分からない、小児在宅医療の現状を知りたい、小児と成人の違いを知りたいなど、小児在宅医療に携わろうとする際に障壁となる課題について幅広く取り上げ、実技練習も交えながらそうした取組みを全面的に支援する目的で企画されたものです。

 今回はその中のベーシック編として、札幌市内および札幌市近郊でご活躍させている19名の医師の先生方にご参加いただき、最初に小児在宅医療の概要について、当法人院長の土畠より説明させていただいた後、実技の中でもとくに遭遇する頻度の高い「気管カニューレ交換」と「胃瘻ボタン交換」をテーマに取り上げ、それぞれについて専門家の先生方に講師となっていただき、講義と実習をセットで行っていただく形式で開催いたしました。

 今回の講師には、気管カニューレ交換を天使病院耳鼻咽喉科の及川敬太先生、胃瘻交換を天使病院外科の山本浩史先生にお願いし、残念ながら山本先生は緊急手術のため急遽来られなくなってしまいましたが、及川先生からは豊富な写真や動画の映像を交えた資料にもとづいて、非常にわかりやすくご講演いただきました。

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(気管カニューレ交換についてご講演いただいた及川先生)

 講義の後に行った実技練習では、まず最初に全体で集合して当院医師より実際に在宅医療の臨床現場で行っている方法について、デモンストレーション用の人形と現物の交換用キットを使用しながら、実際の手順の確認だけでなくトラブル事例や細かいポイントなどにも触れながら説明し説明途中にも多くのご質問をいただきました。

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 その後各班に分かれて先生方にも実際に練習していただきましたが、どの先生方も活発に意見交換をされており、会場もとても熱気にあふれておりました。

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(皆さん、とても熱心に取り組まれてます)

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(坂本 仁先生にもご参加いただきました!)

 休憩時間には、展示品コーナーに準備した小児在宅医療に関連した書籍類だけでなく、実際に日々の診療で使用している訪問診療バッグやEtCO2(=終末呼気炭酸ガス濃度)モニター、機械式排痰補助装置(通称:カフアシスト®)などもご覧いただき、たくさんのご質問や資料請求のご依頼をいただきました。
 先生方の小児在宅医療に向ける熱い気持ちと関心の高さを知り、本当に心強く感じました。

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 今回の講習会を通じてたくさんの反省点がありましたが、実際に企画させていただいて一番大きな成果だったのは、日頃メーリングリストや書面を通じてしか知り合えなかった先生方と直接お会いできたことで、そのお人柄までも含めた顔の見える関係を築けたことでした。
 次回はぜひ懇親会も企画してこの関係づくりを深められたらいいなと考えております。

 YeLL事業としましては、今回ご参加していただいた先生方だけでなく今回参加できなかった先生方も、今後小児在宅医療の分野にスムーズに取り組めるようにあらゆる形での支援を行っていきたいと考えておりますが、そのための企画として今回のベーシック編に引き続きアドバンス編を来年度内に行いたいと考えております。
 アドバンス編では、実臨床の場で使用されている人工呼吸器の紹介や、実際の設定方法に対する考え方の説明、今回は展示だけ行った機械式排痰補助装置(通称:カフアシスト®)や呼吸機能測定の実技練習などの内容を検討しております。

 また、来年度内に旭川市でも第一回実技講習会ベーシック編を開催する予定です。
 今後は道内各地域において同様の実技講習会を定期的に開催し、患者さん達が住み慣れた地域で安心して生活できるようになるためのお手伝いを続けていきたいと考えております。
 また、取り扱ってほしいテーマや関心事項がありましたらぜひぜひお聞かせいただけますととてもありがたいです。

 それではいつか皆さんの地域でもお会いできるのを楽しみにしております。
 そして、これからもYeLLの活動へのご支援とご協力をなにとぞよろしくお願いいたします。

(H.S)

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